相手を煽る彼を、e-Sports選手だと認めることはできない
どうしてもわたしは彼をプロの選手だと認めることはできない。
第五人格 世界大会 COAⅣ。3日目 第3試合 第3ラウンド後半。
ハンターは4吊りしなければ負ける、だから勝つために一発逆転に賭けて勝負に出た相手に対して、あんな酷い煽り行為をする必要はありますか?
自分は吊られており、一番最初に出て行かなければならない立場なのに、彼を助けるためサポートに来た仲間から離れ、わざわざ使い鳥を溜め、空中に落書きをし、その上で一番最後に出ていく必要なんてありますか?
落書きをしたことについて怒っている人なんていませんよ。その行為に対して怒っているのではなく、わざわざ使い鳥をつけて一番最後まで残って煽り行為をする、対戦相手に敬意を払うことのできない彼のその性格の悪さ、あまりの酷さに対して怒っているんですよ。
わたしが応援しているチームも何度も煽り行為をされたことがあります。そのときも正直腹が立ちました。でも、わざわざそれを記事にはしませんでした。そんなことを書くべきではないと思っていたし、それを書き残すことで煽り行為をした選手の品性をさらに下げるようなことはすべきではないと感じたからです。
でも今回は違います。あまりにも酷いです。
相手のハンターも最後に落書きをしました。ですがそれは彼が空中に落書きをしたのを確認してからしたものですし、あれは早く出て行け、という意思表示ではないかと思います。
最終ラウンドの前半戦、相手のサバイバー達は試合後に泣いていました。自分達の最初のミスが最終ラウンドまで響いて負けたと感じたから。その現場を間近で見ているはずなのに、相手チームの気持ちを踏みにじるような煽り行為なんてできないですよ、まともな感覚を持っているなら。
彼の実力は認めます。チェイスも補助も上手いですし、この試合は彼のチェイスがあってこその勝利です。その日のTOP4のプレーに選ばれる実力の持ち主だということも認めます。
でも、わたしはこんな煽り行為をする彼をプロ選手だと認めたくありません。
試合というのは、相手があってからこそできるもの。それを理解し、お互いに敬意を払い、真剣に勝負するものです。相手の気持ちを考えられず簡単に踏みにじるようなことができる彼を、プロ選手だと認めることなんて絶対にできません。
選手個人の性格の悪さ、品のなさを記事にすることなんて絶対にないと思っていました。でも今回はどうしても許せなかった。
彼の名前と所属しているチーム名をここで出さないのは、わたしの僅かな優しさ。本当は出してもいいと思いますが、それは試合を見ればわかることですから。
わたしは今回彼がした行為を許すことなんて絶対にできないし、彼をプロの選手だと今後も絶対に認めません。
追記
国内外でも彼がした行為を煽りだと考える人もいれば、そうではないと考える人、当たり前ですが、個人個人でいろいろあります。でも、やる必要のない行為をすることを煽り行為と捉える人は多いのではないでしょうか。
彼が行った行為は、どう見ても余計な行為。余裕で逃げられるのにわざわざ行った行為です。後から到着した彼をサポートしたメンバーが先に逃げているのですから。
中国のチーム同士、仲が良いというのは煽りには関係のないことだと思いますし、仲が良かったら真剣に戦っている相手に対して煽りなんてしないと思います。それに彼はあの対戦相手だから煽りをしたのではないか、とわたしは思っています。これがもし一番人気のチームのハンターが相手だったら、わざわざ煽りをしていたでしょうか?きっとしないですよね。今まで一度も試合で自分のチームに勝てていないからと、調子に乗っているんですよ。コーチやリーダーが指導して彼を抑えてくれればと思いますが…それは正直、期待できないと思います。
MRCはMiracleだったのか 2020秋
最後まで絶対に勝負を、奇跡を諦めない
2020年、夏。新生MRCとしてスタートを切った彼らは予選を通過し、夏季プレーオフに出場。結果は4位。勝利は手の届く位置にあったものの、それを逃す悔しい結果となってしまった。夏季プレーオフが終了し、つかの間の休暇を終えた彼らを待ち受けていたのは、スランプという大きな壁だった。
彼らはスランプ、そして負ける度に大きくなっていく勝つことへのプレッシャーを乗り越えることができたのだろうか。
MRC 第2期 選手紹介
・小程 XC
旧MRCから唯一残ったメンバーであり、MRCのメインハンター。
夢の魔女を得意とする。他の使用キャラは血の女王、彫刻師、結魂者、ガードNO.26。お調子者の最年少。チームのムードメーカーにして、みんなの弟。
・小迪 XiaoD
新生MRCの司令塔。ファンから老師、公主と呼ばれるランク上位の人気プレイヤー。使用キャラは機械技師、祭司、冒険家、バーメイド等。
俺がファーストチェイスを引けば必ず勝利する、と豪語する程、チェイスの駆け引きが上手い。
・清唱 QingC
新生MRCのリーダーにして小迪の相棒。使用キャラはオフェンス、傭兵、占い師、空軍等。
どっしり構える縁の下の力持ち。やや感情の沸点の高い小迪と酒伴仙を窘める役目も受け持つ。
・酒伴仙 Jiu
彼にならどのキャラを任せても大丈夫と思わせる程、安定感のあるサバイバー。使用キャラは主に墓守、空軍、傭兵、オフェンス。
以前のチームにいた頃のイメージとは180度変わり、クールかと思いきや、意外とやんちゃ。他のメンバーにプロレス技をかけたりする子供っぽい面も。
秋季予選を最後に、持病療養のためチームを離れる。
・老怪咖 Weirdo
元ALoリーダー。危なっかしく何となくハラハラするプレイが多い。使用キャラは傭兵、オフェンス、祭司、空軍等。
高身長に整ったクールな外見とは真逆で、おしゃべりで歌うことが大好き。小程と合わせてチームのムードメーカー。努力家。
・嗨呀 Haiya
サバイバーの控え選手。使用キャラは冒険家、傭兵、占い師。夏季とは変わって、秋季予選、他の大会でメイン出場するなど、活躍が増した。
他のメンバーとじゃれ合ったり子供っぽい面もありながらも、ハンターが煽られたらしっかりと煽り返す、いつも笑顔のポーカーフェイス。
・莎莎 Sasa
新生MRCのコーチ兼控えのハンター。使用キャラは、彫刻師、夢の魔女、血の女王。ハンターパソコン勢の上位ランカー。秋季からはハンターとしても試合に参加。
真面目そうな外見からは想像できないが、意外とメンバーとじゃれ合ったりしていることも。恥ずかしがりやで勝者インタビューでは緊張してあまり話せない。
秋季予選を最後にチームを離れる。
大きな壁
秋季予選、初日。勝利を収めて幸先の良いスタートを切りたかった彼らは予想外の出来事に出鼻を挫かれることになる。サバイバー陣が鮮やかな4逃げを決め、勝利は確実かと思いきや、ハンター小程の体調不良と、運営の設定ミスによる出ないはずのアイテムの出現。それにより、勝てたはずの試合を落としてしまうことになる。
そして何より、秋季予選で彼らを苦しめたのは彫刻師の登場だ。そもそも、MRCのエースである小程は彫刻師をあまり使いこなせないまま秋季予選を迎えていた。それはサバイバー陣も同じで、対彫刻師の練習不足で対策がしっかりと練られていないまま試合に臨み、彫刻師の石像に苦戦していくことになる。秋季で成績を伸ばしていったチームは、彫刻師を使えるチームばかりだった。MRC以外のチームは彫刻師を上手く使いこなせていた上、対策も良く練られていた。そこで差を拡げられてしまうことになる。
一方で、新たに兼任という形でチームメンバーになったコーチの莎莎も、勝つことのできないもどかしさやプレッシャーに潰される。彼は小程の代わりに彫刻師を使用するために練習を重ねていたが、元々はパソコン版のプレイヤーだったため、操作でも苦戦を強いられていた。勝てそうで勝てない、その苦しみはカメラを通してこちらにも伝わる。
夏季では団結するまでに時間がかかっていたサバイバー陣。バラバラだった彼らは時間をかけて一つのチームとしてまとまったが、逆に秋季では緊張感が抜け、ミスも多かったように感じた。チェイスが伸びても彫刻師に捉えられてしまい、4吊りされてしまうことも少なくなかった。
今まで自分達がどう勝てていたか、わからなくなっている…チームに立ちはだかるのは、スランプという、初めての大きな壁だった。
最後まで絶対に諦めない
連敗続きで順位がどんどん落ちていく中でも、彼らは決して勝負を諦めることはなかった。
秋季プレーオフ進出がなくなっても、彼らはどうすれば勝てるかということを純粋に追い求め、様々な対策を練っては試合に臨んでいた。ゆっくりと、しかし確実にスランプを乗り越えようともがき、大きな壁を登り続けていた。
予選後半では彼らに新たな動きが見えた。それは、小程が今まで使っていなかったガードNO.26を使い始めたことだ。使い始めた当初、秋季予選では逃げられてばかりだったが、使い続けたことでめきめきと上達し、現在では彼の新たな力としてその力を十分に発揮している。
サバイバー陣は更に連携を強め、救助に特化した強みを見せていくようになる。多くの場合、チェイスと補助、そして指示出しを小迪がたった一人で担うことが多く、そこをもう少し改善できれば更に隙がなくなるだろう。秋季予選終了後、COAⅣ予選に向けて個人では様々なキャラを使用できるように練習を重ねているため、サバイバー陣も秋季予選時よりも成長し、強くなっている。
最後まで絶対に諦めない。それが彼らの強さの源。悔しさを乗り越え、努力を続けてきた彼らが真価を発揮するのは、もうすぐだ。
MRCは奇跡を起こせたのか?
秋季予選では連敗続きとなってしまったが、彼らは奇跡を起こしていた。
それは12月に行われた、e-Sports上海マスターズ大会。チームのエース二人がいない中で彼らは優勝したのだ。
参加した戦隊は夏季プレーオフの上位4チーム。その中でも連敗続きのMRCは期待されていなかっただろう。しかし、彼らは優勝を掴み取る。
1回戦の相手はZQ。相手のサバイバーの連携の良さで莎莎がなかなか勝てない中、サバイバー陣が勝利を持ち逃げし、決勝へと駒を進める。
決勝の相手は調子の良いGG。ここで莎莎が序盤に4吊りを決め、MRCが有利かと思いきやどうしても勝利を持ち帰りたいGGも引かず、均衡が続く。
3試合目、相手のサバイバーに逃げられ、勝利が難しくなったときでも、彼らは決して諦めなかった。チェイス、救助とそして最後の最後で彼らに微笑んだ運、これらが揃ったサバイバーが3逃げを決め、優勝を掴み取った。
夏季の段階から、エース二人がいないとだめだと言われていたMRC。しかし、そんな声を跳ね返すかのような素晴らしい結果を出したメンバー。上海へ送り出した二人も、自分達がいなくても任せて大丈夫だと確信して送り出しただろうし、優勝が決まった際にはメンバーを称賛し、とても喜んでいた。これはMRC全員で勝ち取った勝利だ。
COAⅣで奇跡を起こせるか?
このままのメンバーでCOAⅣまで続くかと思っていた矢先、酒伴仙と莎莎が抜け、新たなメンバーが加入するかと思いきや、契約が上手くいかずにそれも叶わず。奇しくも旧MRCと同様5人でのCOAⅣ予選出場となってしまったMRC。しかし、メンバーが減っても彼らの戦力は全く衰えていない。
目指せ、世界の頂点へ。奇跡の青年達の物語はまだ続く。
MRCはMiracleだったのか 2020夏
旧MRC曰く、『私達は奇跡を作らない。MRCは奇跡そのものだから』と。
旧MRCはCOAⅢ直前にリーダーとメンバー間の意見の相違から、相次ぐメンバーの離脱にハンターが急遽サバイバーへと転向するなどボロボロになり、COAⅢの出場はなんとか果たしたものの、結果は奮わずチームは崩壊。残ったメンバーはハンターである小程のみだった。
去って行った旧MRCリーダーがたったひとり残った小程へと残したもの、それは戦隊名であるMRC、新たなメンバー、そして掴んだプロへの切符。
これが、新生MRCの誕生である。
現在、プロチームでアマチュア時代から戦隊名がそのまま残っているチームが2チームある。
COA絶対王者であるGr、そしてMRCだ。
2チームの大きな違いはメンバーの入れ替えがあるかないか。
Grはプロ移行の際、増員こそあるものの、COAⅢからの減員はなし。
一方、MRCは小程以外は総入れ替えとなった。
新生MRC、彼らは今シーズン、奇跡を起こせたのだろうか。
選手紹介
・小程 XC
旧MRCから唯一残ったメンバー、且つ唯一のハンター。
夢の魔女を得意とする。他の使用キャラは血の女王、ヴァイオリニスト、結魂者。お調子者の最年少。チームのムードメーカーにして、みんなの弟。
・小迪 XiaoD
新生MRCの司令塔。ファンから小迪公主と呼ばれるランク上位の人気プレイヤー。使用キャラは調香師、機械技師、占い師、祭司、バーメイド等。
俺がファーストチェイスを引けば必ず勝利する、と豪語する程、チェイスの駆け引きが上手い。
・清唱 QingC
新生MRCのリーダーにして小迪の相棒。使用キャラはオフェンス、傭兵、占い師、機械技師、「囚人」等。
どっしり構える縁の下の力持ち。やや感情の沸点の高い小迪と酒伴仙を窘める役目も受け持つ。
・酒伴仙 Jiu
彼にならどのキャラを任せても大丈夫と思わせる程、安定感のあるサバイバー。使用キャラは主に墓守、空軍、傭兵。
以前のチームにいた頃のイメージとは180度変わり、クールかと思いきや、意外とやんちゃ。他のメンバーにプロレス技をかけたりする子供っぽい面も。
・老怪咖 Weirdo
元ALoリーダー。危なっかしく何となくハラハラするプレイが多い。使用キャラは傭兵、オフェンス、祭司等。
高身長に整ったクールな外見とは真逆で、おしゃべりで歌うことが大好き。小程と合わせてチームのムードメーカー。
・嗨呀 Haiya
唯一の控え選手。使用キャラは占い師。出場は2回程だが、他サバイバーへのサポートにて存在感を放つ動きを見せた。
他のメンバーとじゃれ合ったり子供っぽい面もありながらも、他のメンバーの配信の場を繋いでくれるなど、気さくで意外と指先が器用。
・四宮
新生MRCのコーチ。ハンターパソコン勢の上位ランカー。コーチとして陰ながらメンバーを支える。
真面目そうな外見からは想像できないが、意外とメンバーとじゃれ合ったりしていることも。
奇跡は作り出せたのか
新生MRC。シーズンが開始された頃の彼らの印象は、サバイバーが失敗しなければ勝てるチーム。その印象だった。と言うのも、サバイバーがどう見ても3人と1人のチームとしか見えなかったからである。
それもそのはず、小迪、清唱、そして酒伴仙は以前から同じ戦隊に所属していたチームメイトであり、3人でMRCに移籍してきたのだ。一方、ALoから1人移籍してきた老怪咖と3人の歩調がなかなか合わず、シーズン序盤はハンターの小程任せになる展開が多かった。老怪咖がミスをし、試合終了後に怒る小迪、窘める清唱。そんな二人を見る酒伴仙。そして固まる老怪咖の姿が何度も映し出された。そうなってしまうと、頼りになるのは小程。危ういサバイバーをカバーし、チームに勝利をもたらしていく。
しかし、対戦相手のサバイバーもそう簡単に勝たせてくれるはずはない。シーズン中盤に差し掛かる頃は小程任せで勝ちを掴むこともなかなか難しくなってきた。
そんな不安定なサバイバーが明らかに変わったのは1度目のGr戦。1回戦はMRCが勝利するものの、2回戦はGrに取られてしまう。次のセットを取られる訳にはいかない。追い込まれたMRC。
負けられない試合、ここでサバイバーはチームで初の4逃げを決め、ハッチ逃げをした酒伴仙がMVPとなった。チームの足を引っ張ることなく逃げることのできた老怪咖は勝利が確定した瞬間、思わず涙を流し、泣くとは思わなかった3人が困惑するという、少し変わった場面が映し出された。
そこからはサバイバー・ハンター共にお互いをカバーし合いながら勝利を掴んでいく。2度目のWolves戦でもサバイバーが再び4逃げをし、今度は老怪咖がハッチ逃げを決めることに成功。試合前に笑顔が増えるなど、サバイバー達は余裕のある展開を見せるようになっていった。また、小程も血の女王の鏡やヴァイオリニストの弦の精度を上げ、夢の魔女以外のキャラを使用した際の勝率も上げていく。初戦では負けてしまった、DOU5、GG、TIANBA戦でも勝利し、予選2位でプレーオフ大会へと駒を進めた。
しかし、プレーオフ大会では緊張を上手くコントロールできず、予選のような動きのできなかったMRCはDOU5、そしてGGに負け、4位で夏季を終えることとなる。
予選からプレーオフまでの彼らは、不安定な面もありつつも、それをカバーするために個々に成長を続けていたチームだと取れる。予選序盤では、正直なところMRCがプレーオフに駒を進めることは難しいと感じていた。サバイバーとハンター、どちらかに勝負を任せてしまっていては勝利できない。彼らもそれを実感したからこそ時間が足りない中でもチームでの練習を重ね、成長していったのだろう。これは奇跡ではなく、努力の物語だ。
では、一体何が彼らの奇跡だったのか。
それはやはり、このメンバーが揃っていたこと、これに尽きる。序盤では不安要素の見られたサバイバー達も足並みが揃わなかっただけであり、個人ではしっかりとプロで戦える素質や能力はあった。もし、誰かが欠けていたとしてここまで戦えていたであろうか?ここまで強いチームにはなれていなかっただろう。
夏季プレーオフを終え、秋季予選が迫っている。その間も彼らは腕を磨き、日々チームでの鍛錬を欠かさない。秋季予選は夏季予選よりも辛く厳しいものになるだろう、しかし、どんな状況になっていても最後まで諦めることのない彼らはきっと成し遂げることができるはずだ。
秋季プレーオフ、次こそ王者へ。取りに行く、奇跡のメンバーで。
We're Miracles.