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MRCはMiracleだったのか 2020秋

最後まで絶対に勝負を、奇跡を諦めない

 

 2020年、夏。新生MRCとしてスタートを切った彼らは予選を通過し、夏季プレーオフに出場。結果は4位。勝利は手の届く位置にあったものの、それを逃す悔しい結果となってしまった。夏季プレーオフが終了し、つかの間の休暇を終えた彼らを待ち受けていたのは、スランプという大きな壁だった。

 

彼らはスランプ、そして負ける度に大きくなっていく勝つことへのプレッシャーを乗り越えることができたのだろうか。

 

MRC  第2期 選手紹介

 

・小程 XC

 旧MRCから唯一残ったメンバーであり、MRCのメインハンター。

 夢の魔女を得意とする。他の使用キャラは血の女王、彫刻師、結魂者、ガードNO.26。お調子者の最年少。チームのムードメーカーにして、みんなの弟。

 

・小迪 XiaoD

 新生MRCの司令塔。ファンから老師、公主と呼ばれるランク上位の人気プレイヤー。使用キャラは機械技師、祭司、冒険家、バーメイド等。

 俺がファーストチェイスを引けば必ず勝利する、と豪語する程、チェイスの駆け引きが上手い。

 

・清唱 QingC

 新生MRCのリーダーにして小迪の相棒。使用キャラはオフェンス、傭兵、占い師、空軍等。

 どっしり構える縁の下の力持ち。やや感情の沸点の高い小迪と酒伴仙を窘める役目も受け持つ。

 

・酒伴仙 Jiu

 彼にならどのキャラを任せても大丈夫と思わせる程、安定感のあるサバイバー。使用キャラは主に墓守、空軍、傭兵、オフェンス。

 以前のチームにいた頃のイメージとは180度変わり、クールかと思いきや、意外とやんちゃ。他のメンバーにプロレス技をかけたりする子供っぽい面も。

 秋季予選を最後に、持病療養のためチームを離れる。

 

・老怪咖 Weirdo

 元ALoリーダー。危なっかしく何となくハラハラするプレイが多い。使用キャラは傭兵、オフェンス、祭司、空軍等。

 高身長に整ったクールな外見とは真逆で、おしゃべりで歌うことが大好き。小程と合わせてチームのムードメーカー。努力家。

 

・嗨呀 Haiya

 サバイバーの控え選手。使用キャラは冒険家、傭兵、占い師。夏季とは変わって、秋季予選、他の大会でメイン出場するなど、活躍が増した。

 他のメンバーとじゃれ合ったり子供っぽい面もありながらも、ハンターが煽られたらしっかりと煽り返す、いつも笑顔のポーカーフェイス。

 

・莎莎 Sasa

 新生MRCのコーチ兼控えのハンター。使用キャラは、彫刻師、夢の魔女、血の女王。ハンターパソコン勢の上位ランカー。秋季からはハンターとしても試合に参加。

 真面目そうな外見からは想像できないが、意外とメンバーとじゃれ合ったりしていることも。恥ずかしがりやで勝者インタビューでは緊張してあまり話せない。

 秋季予選を最後にチームを離れる。

 

大きな壁

 

 秋季予選、初日。勝利を収めて幸先の良いスタートを切りたかった彼らは予想外の出来事に出鼻を挫かれることになる。サバイバー陣が鮮やかな4逃げを決め、勝利は確実かと思いきや、ハンター小程の体調不良と、運営の設定ミスによる出ないはずのアイテムの出現。それにより、勝てたはずの試合を落としてしまうことになる。

 そして何より、秋季予選で彼らを苦しめたのは彫刻師の登場だ。そもそも、MRCのエースである小程は彫刻師をあまり使いこなせないまま秋季予選を迎えていた。それはサバイバー陣も同じで、対彫刻師の練習不足で対策がしっかりと練られていないまま試合に臨み、彫刻師の石像に苦戦していくことになる。秋季で成績を伸ばしていったチームは、彫刻師を使えるチームばかりだった。MRC以外のチームは彫刻師を上手く使いこなせていた上、対策も良く練られていた。そこで差を拡げられてしまうことになる。

 一方で、新たに兼任という形でチームメンバーになったコーチの莎莎も、勝つことのできないもどかしさやプレッシャーに潰される。彼は小程の代わりに彫刻師を使用するために練習を重ねていたが、元々はパソコン版のプレイヤーだったため、操作でも苦戦を強いられていた。勝てそうで勝てない、その苦しみはカメラを通してこちらにも伝わる。

 夏季では団結するまでに時間がかかっていたサバイバー陣。バラバラだった彼らは時間をかけて一つのチームとしてまとまったが、逆に秋季では緊張感が抜け、ミスも多かったように感じた。チェイスが伸びても彫刻師に捉えられてしまい、4吊りされてしまうことも少なくなかった。

今まで自分達がどう勝てていたか、わからなくなっている…チームに立ちはだかるのは、スランプという、初めての大きな壁だった。

 

最後まで絶対に諦めない

 

 連敗続きで順位がどんどん落ちていく中でも、彼らは決して勝負を諦めることはなかった。

 

 秋季プレーオフ進出がなくなっても、彼らはどうすれば勝てるかということを純粋に追い求め、様々な対策を練っては試合に臨んでいた。ゆっくりと、しかし確実にスランプを乗り越えようともがき、大きな壁を登り続けていた。

 予選後半では彼らに新たな動きが見えた。それは、小程が今まで使っていなかったガードNO.26を使い始めたことだ。使い始めた当初、秋季予選では逃げられてばかりだったが、使い続けたことでめきめきと上達し、現在では彼の新たな力としてその力を十分に発揮している。

 サバイバー陣は更に連携を強め、救助に特化した強みを見せていくようになる。多くの場合、チェイスと補助、そして指示出しを小迪がたった一人で担うことが多く、そこをもう少し改善できれば更に隙がなくなるだろう。秋季予選終了後、COAⅣ予選に向けて個人では様々なキャラを使用できるように練習を重ねているため、サバイバー陣も秋季予選時よりも成長し、強くなっている。

 最後まで絶対に諦めない。それが彼らの強さの源。悔しさを乗り越え、努力を続けてきた彼らが真価を発揮するのは、もうすぐだ。

 

MRCは奇跡を起こせたのか?

 

 秋季予選では連敗続きとなってしまったが、彼らは奇跡を起こしていた。

 それは12月に行われた、e-Sports上海マスターズ大会。チームのエース二人がいない中で彼らは優勝したのだ。

 参加した戦隊は夏季プレーオフの上位4チーム。その中でも連敗続きのMRCは期待されていなかっただろう。しかし、彼らは優勝を掴み取る。

1回戦の相手はZQ。相手のサバイバーの連携の良さで莎莎がなかなか勝てない中、サバイバー陣が勝利を持ち逃げし、決勝へと駒を進める。

決勝の相手は調子の良いGG。ここで莎莎が序盤に4吊りを決め、MRCが有利かと思いきやどうしても勝利を持ち帰りたいGGも引かず、均衡が続く。

3試合目、相手のサバイバーに逃げられ、勝利が難しくなったときでも、彼らは決して諦めなかった。チェイス、救助とそして最後の最後で彼らに微笑んだ運、これらが揃ったサバイバーが3逃げを決め、優勝を掴み取った。

 夏季の段階から、エース二人がいないとだめだと言われていたMRC。しかし、そんな声を跳ね返すかのような素晴らしい結果を出したメンバー。上海へ送り出した二人も、自分達がいなくても任せて大丈夫だと確信して送り出しただろうし、優勝が決まった際にはメンバーを称賛し、とても喜んでいた。これはMRC全員で勝ち取った勝利だ。

 

COAⅣで奇跡を起こせるか?

 

 このままのメンバーでCOAⅣまで続くかと思っていた矢先、酒伴仙と莎莎が抜け、新たなメンバーが加入するかと思いきや、契約が上手くいかずにそれも叶わず。奇しくも旧MRCと同様5人でのCOAⅣ予選出場となってしまったMRC。しかし、メンバーが減っても彼らの戦力は全く衰えていない。

 

 目指せ、世界の頂点へ。奇跡の青年達の物語はまだ続く。