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MRCはMiracleだったのか 2021春

執念の先にある、奇跡に手を伸ばせ

 

 IVL秋季プレーオフ進出を逃し、年明けにはメンバーも減ったMRC。世界大会であるCOAⅣには予選からの参加となり、MRCが参加するDブロックにはIVLからWolvesとTIANBAの2チームも参加となった。

 彼らはCOAⅣに進出することはできたのだろうか。そして彼らは世界大会でどこまで戦うことができたのだろうか。 

 

第2.5期 MRC選手紹介

 

・小程 XC

 旧MRCから唯一残ったメンバーであり、MRC唯一のハンター。秋季予選から練習を重ね、現在では多キャラ使いへと成長した。

 夢の魔女を得意とする。他の使用キャラは“使徒”、泣き虫、ガードNo.26、結魂者、彫刻師。お調子者の最年少。チームのムードメーカーにして、みんなの弟。

 

・小迪 XiaoD

 新生MRCの司令塔。ファンから老師、公主と呼ばれるランク上位の人気プレイヤー。使用キャラは機械技師、祭司、冒険家、占い師、傭兵等。

 俺がファーストチェイスを引けば必ず勝利する、と豪語する程、チェイスの駆け引きが上手い。チェイスをしながら指示出しができる、稀有な存在。

 

・清唱 QingC

 新生MRCのリーダーにして小迪の相棒。使用キャラは野人、オフェンス、傭兵、占い師、空軍等。

 どっしり構える縁の下の力持ち。やや感情の沸点の高い小迪を窘める役目も受け持つ。無傷救助が得意。

 

・老怪咖 Weirdo

 危なっかしく何となくハラハラするプレイが多いが、決めるときはしっかりと決める。使用キャラはオフェンス、傭兵、祭司等。

 高身長に整ったクールな外見とは真逆で、おしゃべりで歌うことが大好き。小程と合わせてチームのムードメーカー。努力家。

 

・嗨呀 Haiya

 抜けた酒伴仙に代わり、控えからメインとなる。元S1冒険家の実力を持つ。使用キャラは冒険家、傭兵、占い師。

 他のメンバーとじゃれ合ったり子供っぽい面もありながらも、ハンターが煽られたらしっかりと煽り返す、いつも笑顔のポーカーフェイス。

 

COAⅣまでの道のり

 

 チームの絶不調でプレーオフ進出を逃した2020年末。7人だったメンバーはサバイバーの酒伴仙が体調不良で、ハンター兼コーチの莎莎がフェードアウトのような形で抜け、新たなメンバーを探すこととなる。一度は新たなメンバーが決まりかけるも、契約の関係上で成立することはなく、MRCは奇しくもCOAⅢ同様、ギリギリの人数である5人での予選出場となってしまった。

IVL参加チームはゲーム内予選を無条件で通過となり、予選からの参加となっている。予選は4ブロックと敗者復活枠に分かれており、MRCはDブロックで残りの出場枠を争うこととなった。

 

 予選初戦はアマチュア戦隊のXhz。この日は小程の体調不良のせいもあってか、なかなか勝つことができずに2試合目まで引き分けの攻防が続く。勝負の3試合目。場所は湖景村。引き分けが続いた小程は泣き虫を出して勝負に出る。相手チームも3逃げをしないと勝てない中、小程が4吊りを決め勝利。

 予選第2戦と第3戦の相手はWolves。MRC同様秋季プレーオフに進出できなかった彼らも、COA進出に並々ならぬ覚悟を持って臨んでいた。特にサバイバー陣の粘り強さとCOAⅣにかける執念は小程を何度も脅かすほど。それでもこちらも勝ちを譲るわけにはいかない。絶好調のMRCサバイバー陣のハンターの引き止めるが切れる前に板越え加速を利用し成功した4逃げ等の活躍もあり、予選Dブロックをストレートで通過することができた。

 

奇跡に手を伸ばせ

 

 COAⅣ、MRC初戦の相手はweibo。IVLでの対戦結果からしても互角の相手。そして初戦で顔を合わせて対戦するのはMRC対weiboのみということもあり、試合の行方はどれだけ緊張せずに普段通りのパフォーマンスができるかにあった。

 1試合目のマップ選択権はweibo。彫刻師と相性のいい赤の教会を選択されてしまい、夢の魔女を最初に選択するMRCとしてはやや不利。神出鬼没を上手く避けられてしまい、引き分けに。サバイバーも3逃げしたいところだったが、無理せず2逃げに留めた。

 2試合目のマップ選択権はMRC。予選で上手くいった経験からレオの思い出を選択。しかしここではweiboサバイバーの一枚上手の連携の良さに負けてしまう。サバイバーも読みを間違えたpickで3吊り。weiboが勝利に王手をかけることになる。

 運命の3試合目。ここで小程は勝負に出る。マップは永眠街。ここで4吊りできなければ確実に負け。そんな状況で彼がpickしたのは泣き虫。ここで自分が絶対に4吊りする、その可能性に賭けた。プレッシャーや緊張、その重圧にたった一人で立ち向かう小程に、チームメイト、そして会場にいる多くのファンの声援が彼の背中を押す。彼は不安を押し退け、最後まで諦めずに見事に4吊りを成し遂げてみせた。サバイバーが2逃げすれば勝ち。しかし、weiboは彼らを勝たせてはくれなかった。相手のpickは夢の魔女。3試合目で対峙するにはあまりにも強いキャラクター。サバイバーのスポーン位置も悪く、奮闘し最後まで足掻いたものの結果は4吊り。ここで彼らのCOAⅣは終わりを告げた。

 

 結果は16強で終わってしまったCOAⅣ。しかし、あの場で小程が4吊りできたように、彼らは奇跡に手が届く瞬間を感じたはずだ。それでもまだ、目指している世界の壁は厚い。苦い経験ではあったものの、メンバー一人一人、また新たな目標も見つかったはずだ。

 

 また今年も長い夏が始まる。ライバル達も新たなメンバーを揃え、本気でIVL王者を目指している。選手に復活した酒伴仙は他チームに加入しMRCのライバルとなり、上位ランカー達も他チームに加入するなど強敵揃い。MRCもここまで一年間共に戦い続けてくれた嗨呀、そして莎莎との別れを乗り越え、3名の新たな仲間を迎え、IVL王者を目指し一致団結し戦いの準備を進めている。まずは予選突破。一年ぶりとなるプレーオフ進出を目指す。奇跡は、諦めなければ必ず起こせる。

 

奇跡の青年達の戦いは、まだまだ続く。